データフレームから特定の行を抽出する場合、再帰代入を使う方法ととquery関数を使う方法があります。どちらも結果は同じですが、どのように使うかまとめてみました。
この記事でわかること
・データ抽出に使う2つの方法(再帰代入とquery関数)がわかる
サンプルデータの作成
まずはサンプルデータを作成します。
import pandas as pd
# サンプルデータの作成
df = pd.DataFrame({
'A': [1, 2, 3, 4, 5],
'B': [10, 20, 30, 40, 50],
'C': ['p', 'q', 'r', 's', 't']
})
print(df)
A B C
0 1 10 p
1 2 20 q
2 3 30 r
3 4 40 s
4 5 50 t
再帰代入とqueryのコード
以下のようになります。どちらも結果は同じものになります。
# 'A'列の値が3より大きい行を抽出
result = df[df['A'] > 3]
print(result)
# 再帰代入で'A'列の値が3より大きい行を抽出
result = df.query('A > 3')
print(result)
A B C
3 4 40 s
4 5 50 t
A列の値が3より大きい行が抽出されました。
再帰代入とqueryどちらが良いか
結果は同じなら、どちらを使えば良いでしょうか? 以下にメリットとデメリットをまとめてみました。
再帰代入:
メリット:
- 直感的: ほとんどのPythonユーザーは比較演算子や論理演算子に慣れているので、再帰代入は非常に直感的に感じるかもしれません。
- 統一性: 他のPythonコードとの統一性があり、スタイルのブレが少ない。
- メモリ効率: 中間的なコピーが生成されないので、特定のシチュエーションでのメモリの利用が効率的です。
デメリット:
- 複雑な条件: 複数の条件を組み合わせる場合、コードが長くなったり、読みにくくなることがあります。
- 括弧の多用: 複数の条件を組み合わせる際には、適切な括弧の使用が必要です。
queryメソッド:
メリット:
- 表現の簡潔性: 複雑な条件を持つフィルタリングを簡潔に記述できます。
- 読みやすさ: 文字列ベースのクエリは、特に複数の条件を組み合わせる場合に読みやすいことが多い。
- ローカル変数の組み込み:
@
を使用して、外部の変数をクエリ文字列内で参照できます。
デメリット:
- 実行速度: 一般的に、
query
メソッドは再帰代入よりもわずかに遅いことがあります。 - 学習曲線:
query
メソッドの構文は初心者にとっては少し学習が必要です。 - エラーメッセージ: クエリのエラーメッセージは時々分かりにくいことがあります。
まとめ
どちらの方法を選ぶかは、具体的なタスクや個人の好みによる部分も大きいです。簡単な条件であれば再帰代入を、複雑な条件や複数の条件を組み合わせる場合にはquery
メソッドを使用すると良いでしょう。それぞれの方法を理解し、適切な状況で適切な方法を選択することが重要です。
以上、参考になれば幸いです。